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2016.05.10

UI DESIGN

UX一年生が思うUXで大切な三つの視点 – UX JAM 8イベントレポート

4月27日に行われたUX MILKさん主催のUXを題材にした交流会イベント「UX JAM 8」に、株式会社オハコのPM兼セールス、野浪が参加しました。

会場は株式会社Speeeさんのオフィスにある「Speee Lounge」。普段は社内のコミュニケーションスペースとして使用されているそうですが、こう言った勉強会なども会場としても活用されているとのこと。

とにかくお洒落で開放的です。

交流しやすいイベント設計

イベントは参加者同士の交流会とUIUX分野で活躍されている方のライトニングトークを交互に行う形式でした。
話し終わった直後のスピーカーの方とすぐに話をすることができたり、名刺を交換した方が数分後に登壇してLTをしていたりと、ステージと会場の距離が近く、参加者全員が積極的に交流できる雰囲気作りが印象的でした。

ライトニングトーク

UX JAM 8では総勢7名の方が登壇され、それぞれのUIUXに対する考え方やサービスの成功例、そして失敗例から学んだことを紹介していました。筆者はLTを実際の会場で見るのは初めてだったのですが、各位の持ち時間が5分程度で決められている中で、登壇者の皆さんの経験や知識がぎゅっと凝縮されて頭の中に入ってきたと感じました。

7名のLTの中からいくつか紹介したいと思います。

「役に立たないペルソナ失敗談」

UX MILKへの寄稿も行っている株式会社ookamiの安部昌乗さんはApp Store Best of 2015にも選ばれたスポーツライブ情報アプリ「Player!」を開発した際のペルソナ失敗談を紹介。
当初は「20代男性/スポーツ大好き/渋谷によくいる。こんなものかな?」と考えたものの、これが大失敗。ユーザがサービスを楽しむところまでを想像できていなかったとの事。
その反省を踏まえて考えたのが以下のようなペルソナ(シナリオ)です。

player_persona

 

こちらを踏まえてユーザがアプリを使うときの環境/シーンやマインドを具体的に理解する事で、ユーザのニーズをUIや機能にうまく反映することができたとの事。

「プロダクトを小分けにしてカスタマニーズに応える」

リクルートジョブズの大草真紀さんは長い歴史を持つアルバイト情報誌「fromA」をモバイルアプリ化するにあたりユーザ層によってニーズが違うという課題に取り組んだ経験を紹介。
例えば大学生の場合、ほとんどのユーザが自宅から大学までの経路内でアルバイト先を探すという場所重視の検索ニーズがある一方、高校生はほとんどが初めてのアルバイト探しであるため、わかりやすく、不安を取り除く工夫が必要と分析。もちろんそれ以外のフリーターなどに向けたニーズへの最適化も行わなければなりません。

 

different_needs

結果として、1つのアプリで全てのニーズを満たすのではなく、それぞれのニーズにあったアプリに切り分けてしまおうという結論に達したそうです。
現在fromAのアプリとしては既存ユーザ向けの「fromA」、自宅からキャンパスの定期券内でのバイト探しが便利な大学生向け「fromAキャンパス」、そして初めてのアルバイトでも不安を感じさせないようなコンテンツを提供する「FromAスクール」の3種を配信中。
この経験からカスタマニーズへの理解が深まり、アプリ以外のプロダクトの品質向上にも役立てることができたそう。

 

new_category

 

その他、漫画「ジョジョの奇妙な冒険」に出てくるエピソードからUXへの理解を深めるという興味深いアプローチをされたHCD・UXリサーチャーの山口優さん、カーシェアリングサービス「Anyca(エニカ)」のサービス立ち上げの際に心がけたことを紹介したDeNAの飯島征士さん等が、様々な角度からプロダクトやサービスのUXを見つめ、検証し、形にしていった経験を紹介していました。

感想(UX一年生として)

ここまで来て率直に申し上げますと、恥ずかしながら筆者はまだUX1年生でして、これからUXやUIに対しての知見を深めるために奮闘している所なのですが、そんな私の目から見た今回の「UX JAM 8」を通しての感想を述べたいと思います。

【学術的知識・データ】

まず思ったのは皆さん、当然ながらUXに関する知識が豊富です。(そんなことをわざわざ書くな、と怒られること必至)
登壇者の皆さんはこれまでたくさんのUX、HCD、認知科学関連の書籍を読んだり、専門的に学ばれたり、研究をしてきたのだと思います。そしてそれをプロダクトやサービス設計に大いに役立てているのだと思いました。
「ファネル分析」「狩野モデル」など、筆者にとっては色々な新出単語が出てきたので都度調べながらLTを聞いていました。

【経験・知見】

そして次に思ったのは、それぞれのキャリアで積み重ねてきた経験、考え方、趣味などもコンセプトやサービス設計に生かしているのだと思いました。それは上記の学術的知識がベースになってはいるものの、自分なりの答えを見つけたり、仮説と検証を積み重ねてきた経験が武器となって素晴らしいプロダクトを生み出しているのだと感じました。

【いちユーザとしての感覚】

そして最後に、いちユーザの感覚を以てプロダクトを見つめられるか、ということも大事なスキルなのだと思いました。今回登壇された方々は自らがユーザの目線に立って考えられるスキルを養ってきただけでなく、時には実際にユーザに使ってもらい、その一挙手一投足を見つめ、分析し、製品に活かすということを実践されているのだと思いました。

UXで大事なこととは?

上記を踏まえて自分なりに答えを出してみました。

  • 学術的視点
  • 自分視点
  • ユーザ視点

プロダクトやサービスをより良いものにしてく過程では、上記の3つの視点を混ぜ合わせて考える、のではなく、今自分がどの視点で見ているのかをはっきりと自覚した上で、繰り返し視点を変えてその製品を見つめることが重要ではないでしょうか。

この3者を自分の中でしっかりと区分けし、如何に丁寧に、真摯な気持ちで「行ったり来たり」の反復作業ができるかが、より心地よいもの、より使いやすいもの、より「使いたい」と思ってもらえるものを作る上で大切なのではないかと考えました。

ux_perspective

最初は自分視点で悩み抜く→「あれ?そもそもの課題ってなんだっけ?」→ユーザ視点に切り替え→そこで感じた仮説を学術的に検証→改めて自分の経験と重ねわせ→それをユーザ視点で見直し…、という丁寧な反復行為によって、良いものができていくのだと思います。

UIUXに限らず、ものづくりにおいてこれを怠ったり、3者の視点をはっきり意識せずに一緒くたにして考えてしまうと、結果として誰のためのプロダクトなのかがわからないもので終わってしまう事がよくあります。

そうならないように、常日頃から自分がどの視点で見つめているのかというのを意識していきながらプロジェクトに携わっていきたいと思いました。

「御託はいいから本を読め」という言葉が聞こえてきました。

おっしゃる通りかと。。

UX一年生、精進します。

EDITOR'S PROFILE

野浪 義也

野浪 義也

プロデューサー/ディレクター

北海道美唄市生まれ。大学時代は中国語を専攻。前職は3DCG制作会社でセールスを担当。今年から株式会社オハコに入社し、UX/UI案件のプロジェクトマネージメントとセールスを行う。 趣味はHuluと映画。世界から言語の壁を無くすために絵文字についての研究をしています。

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