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2014.08.22

UI DESIGN

誰のためのUX?UXデザインのためのペルソナデザイン

ユーザーが男か女か、若いかお年寄りかだけで、体験から受ける印象はガラッと変わります。時にはまったく逆の印象を受けることさえあるでしょう。

つまり、伝える相手なくしてUXは存在し得ないわけです。
そこで今回は、ユーザーやユーザーニーズを理解するための「ペルソナデザイン」をご紹介します。

ターゲットとペルソナの違い

ターゲットは社会的スペック、ペルソナは「人物」

皆さんの中には、ペルソナと言われると「ターゲットのことでしょ」と思う人がいるかと思います。そこでまずはターゲットとペルソナを定義し直していきます。
personavstarget

一般的に想定される「ターゲット」では、顧客の部署や役職などの社会的スペックをまとめます。一方、「ペルソナ」はそこから更に踏み込んで価値観・パーソナリティなどプライベートを含めた”人物像”(隣の部署にいてもおかしくないと思えるような”人”)を描きます。

また、定性調査・定量調査などデータに基づいて記述する点もペルソナの特徴の一つです。

ペルソナを作ることのメリット

サービスのUXをユーザー目線で考えることが可能

自分がほしいだけ、の商品を作ることがなくなる

サービスのプロモーションをする際に、大雑把に「首都圏在住のF1層」としてしまった場合、どうなるのか。

F1層といっても構成する個々人を見ていくと、家族構成もばらばらだし、休日の過ごし方、好きなブランド、インターネットとの関わり方など、千差万別である。そのため、何が共感を生む施策なのかを考えることが難しい。

ペルソナでは、パーソナリティにまで入り込んだ”人物像”を作っていくため、「その人が何に感動するのか」「どういった状況で使うのか」など、ユーザー目線で考えることができるようになる。そのユーザーが、「なぜ(Why)、どんな状況で(How)、どんな機能を使うか(What)」を元にユーザーアクションを作りUIに落とし込むこともできる。

つまり、ユーザー目線という基準があるため、潜在顧客にとって面白くもないPR企画にリソースをつぎ込んだり、独りよがりのサービスをリリースしたりする可能性が大幅に減るのである。

意思決定速度の大幅な改善

新サービスを提供する場合、複数人のチームで動くことになります。

その際に「首都圏在住のF1層」のようにターゲットを決めてしまった場合、各々が自分の経験に基づいてターゲットを絞り込んでしまうため、認識の齟齬が生じ時間がかかってしまいます。

ペルソナを定めておけば、明確な基準を持って議論ができるためすばやい意思決定が可能です。

ペルソナ策定フロー

ユーザーをグループ分けする

新規サービスの場合、想定されるユーザーを切り分けていくことになる。既存のユーザーがいる場合は、ユーザー群を切り分けていく。切り分けた後に何をするのかを考えると、単純に年齢や性別などで分けることが好ましくないことが分かるはずである。では、どうすればよいのか。

答えは、サービスの利用の仕方に違いが見られる部分で切り分けること、である。

ペルソナを作成するグループを決定する

先ほど切り分けたユーザーグループに対して、優先度を付け、その度合いが高いユーザーグループからペルソナを作っていく。

優先度の付け方であるが、サービスの目標を達成するために助けとなる行動をどれだけしてくれるか、という点に注目して付けていくことになる。

ユーザー調査をする

ペルソナを作成するグループのユーザーに関する情報を集める。この段階で、自分の知り合いの中だったら誰に声をかければいいかはっきり見えていることが望ましい。そこの部分がぼやけてしまっているようなら、再度グルーピングを見直したほうがいい

手法としてはユーザーインタビューが使われることが多いが、アクセス解析データや公開されている調査結果、Q&Aサイトの回答なども、ある程度の参考になるため確認すると良い。

調査結果をまとめ、ペルソナを作成

調査結果をまとめ、その中から代表的なパーソナリティと行動パターンを導き出す。

導き出した調査結果は社内で共有が可能なようにペルソナシートにまとめる。

他のグループのペルソナを作成

他のグループに対して、2~4を繰り返す。

ペルソナシートの作成

ユーザー調査が終わったら、社内で共有するため、ペルソナシートを作成する必要があります。ここでは、ペルソナシートに必要な項目とシートの例を示します。あげている項目は例ですので、必要なところは各自で追加して使ってください。

ペルソナー

パーソナル情報

ユーザーを「顔の見える人物」にするために、ペルソナの基本情報と人間関係、住居などの背景情報をあげていきます。

  • 年齢
  • 性別
  • 学校/企業
  • 居住地
  • 出身地
  • 家族構成
  • (ToBではこの他、所属企業の情報・会社での役割など)

デジタルプロフィール

現代において、人類がデジタルデバイスに費やす時間は無視することはできません。

ユーザーがどのようなデバイスを使いサイトを見ているのか、SNSは何を利用しているのかなどをあげていきます。この情報は、プロモーション戦略を考える際にも非常に有効です。

  • よく使うデバイス
  • よく見るサイト
  • よく使うアプリ
  • SNS利用状況

日常の行動

ユーザーが普段どのようなことをしているのかを知ることによって、ユーザーの趣味嗜好を把握することが狙いです。

  • 平日のすごし方
  • 休日のすごし方
  • 趣味

ゴール

人生における長期・短期的な目標です。「将来○○を成し遂げる」、といったものから「週2回運動する」、のようなものまで幅広く情報を集めていきます。

ただし、サービスの規模感によってあまり必要ではない情報も含まれてくるため、費用対効果を考えながら収集する必要があります。

  • 長期的な目標
  • 直近の目標

エピソード

上記の情報を参考にしつつ、サービスを実際に必要とするまでのストーリーを記載していきます。

ユーザーインタビューにおいて、「いつ使いたいですか?」という質問単体では答えが集まりづらいので、あらかじめ複数の行動パターンを考えておきましょう。

ペルソナシートを作ったら

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実際にペルソナを作ったあとは、彼らがどのように課題(orニーズ)を認識し、提供サービスを知り、利用するのか。行動をフェーズ分けしてシナリオを描いていきます。

行動ベースでシナリオを書く際、UXマップなどの概念を使うと分かりやすいです。また、それに基づいてUIデザインを行っていくことになるわけですが、今回のテーマからはずれてしまうので、次の機会に。

終わりに

UXとはユーザーとサービスの関係性です。ユーザーなくして関係性は語れません。

「ユーザーが誰なのか」

この問いに明確に答えれれるサービス・企業が生き残っていくのではないでしょうか。

EDITOR'S PROFILE

admin_ohako

菊地 涼太

代表取締役CEO & UI Designer

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神奈川県生まれ、神奈川県育ち。慶應義塾大学時代より大手企業内でWebデザインの仕事に携わり、フリーランスとして新規事業立案〜UX設計・UIデザインまでを主な担当分野としているうちに、デザイン領域全体に可能性を感じて株式会社オハコを設立。

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